線維筋痛症について
線維筋痛症は、身体の広範囲な部位に疼痛をきたす原因不明の慢性疾患です。
リウマチ性疾患に分類されていますが、自己免疫の異常や炎症などは見られず機能的な(機能の働きに異常を生じる)リウマチ性疾患といえます。
慢性的な痛みにより日常生活における動作や生活の質が大きく損なわれますが、器質的な組織破壊などをきたすことはなく、生命が脅かされることもありません。
原因は・・・まだ不明
末梢神経からの痛み刺激を脳に伝える上行性経路において、中枢の興奮経路が賦活化(活性化)され、さらには脳から末梢神経へと繋がる下行性の疼痛抑制(痛みを抑える)経路にも障害が起こることにより、痛みが中枢において増幅されてしまうことが疼痛をきたす原因と考えられているそうです。
症状は・・・
主症状は慢性疼痛で、疼痛部位は左・右半身、上・下肢、体幹部など全身の広範囲に及びます。筋肉や関節、軟部組織などの自発痛が中心ですが、痛みの部位と程度は日によって変化するだけでなく、日内変動も認められます。また、気候の変動(台風や低気圧の接近、気温変化)などの外的環境要因、さらには感冒などの感染症への罹患や激しい運動、睡眠不足、精神的ストレスなど様々な要因によっても症状は悪化するようです。疼痛だけでなく関節リウマチに類似した朝のこわばり感もみられるようです。
このように線維筋痛症の症状は、多彩な身体・神経・精神症状をきたすことが知られています。疲労感や倦怠感、頭痛、しびれ感、睡眠障害、不安感、抑うつ感などが高頻度に認められ、乾燥症状(ドライアイ、ドライマウス)や過敏性腸症候群に類似した腹部症状、便通異常、動悸、めまい、焦燥感や集中力低下、身体のほてり感、微熱、むずむず脚症状も来すことがあるそうです。
※以上は湘南病院院長先生のホームページより掲載させて頂きました。
これらの症状をみますと、自律神経症状と重なる症状がたくさん見られます。
鍼灸治療は、自律神経症状に対して効果が期待できる治療法です。
短時間での症状の改善は難しく、完治はすることはないと言われているようですが、気長に治療を続けていく内に自律神経症状に対しては良い結果をもたらすこととなると思います。